入院中のセルフオーラルケアで院内肺炎リスク低下 広島大調査

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入院中のセルフオーラルケアで院内肺炎リスク低下 広島大調査|ORAL MEDIA

広島大学病院とKenvue(JNTLコンシューマーヘルス株式会社)は2026年9月8日、入院患者約4,900人を対象にした「セルフオーラルケア」による感染症予防の研究成果発表会を開きました。歯科診察と個別指導、口腔ケア用品の提供を組み合わせた取り組みで、院内肺炎などの発症率が下がったと報告されています。

目次

広島大学病院とKenvueが研究成果発表会を開催

広島大学病院は2026年9月8日、広島大学霞キャンパス歯学部大会議室で「入院患者約5,000人を対象としたセルフオーラルケアによる感染症予防」の研究成果発表会を開きました。マウスウォッシュ「リステリン®」を展開するKenvue(JNTLコンシューマーヘルス株式会社)との協力による取り組みです。

発表会では、安達伸生病院長が合併症予防と患者の良好な退院状態の実現に向けた取り組みとして今回の研究を紹介し、谷本幸太郎主席副病院長は、医科歯科連携が開始時の月10名未満から現在は月350名超まで拡大したことを説明しました。詳しい発表内容はPR TIMES掲載のリリースで確認できます。

どのような「セルフオーラルケア」支援を行ったのか

今回の研究の対象は、1週間以上入院する20歳以上で、自分で口腔ケアができる患者です。約9カ月間で約5,400名の病室を訪問し、4,893名にケアを実施しました。

具体的には、入院初日に歯科が病室を訪問して診察し、患者一人ひとりに合わせたセルフケアの方法を説明したうえで、歯ブラシとマウスウォッシュ、説明用のパンフレットを配布します。1回あたり5〜10分程度で行える内容です。歯学部長の柿本直也氏は、米国の「HAPPEN(Hospital Acquired Pneumonia Prevention by Engaging Nurses)」プログラムを参考に、患者自身が参加し続ける仕組みへ発展させたと説明しています。

監修者:歯科衛生士山崎明日海歯科衛生士 山崎

入院中はベッド上での歯みがきになりがちですが、うがいと部分磨きを分けて行うだけでも、口の中の細菌を減らす助けになります。無理な体勢で長時間磨こうとしなくて大丈夫です。

報告された発症率の変化と、読み方の注意点

広島大学病院は、この取り組みを行った患者で、院内肺炎の発症率が相対的に約43%、菌血症が約62%、尿路感染症が約20%、それぞれ低下したという研究結果を発表しました。

研究を主導した口腔総合診療科の西裕美診療講師は、従来は院内肺炎を中心に評価していた範囲を、菌血症・尿路感染症にまで広げたことが今回の研究の新規性だと説明しています。Kenvueメディカルアフェアーズディレクターの黒川弘規氏は、日本人を対象にしたセルフオーラルケアのエビデンスがまだ不足している課題を指摘したうえで、米国での知見の共有とマウスウォッシュの提供でこの研究を支援したと述べています。ここでの発症率の低下は、歯科診察・個別指導・歯ブラシとマウスウォッシュの提供を組み合わせた一連の取り組み全体による結果であり、マウスウォッシュ単独の効果を示すものではありません。比較対象とした患者群の詳細など、研究の具体的な方法は今回のリリースでは明らかにされていません。

監修者:歯科衛生士山崎明日海歯科衛生士 山崎

口腔ケア用品を配られても、使い方に迷う方は多いです。歯ブラシは小さく動かして歯と歯ぐきの境目に当てる、マウスウォッシュは歯みがきの後に使う、という順番を意識すると効果的に使えます。

家族が入院したときに気をつけたい口腔ケア

入院中は体を動かしにくく、自分だけでは歯みがきが行き届きにくくなることがあります。

口の中の細菌が増えると、唾液や食べ物とともに気道に入り込み、肺炎につながることがあるとされています。家族が付き添う場合は、うがいや歯みがきの様子を一緒に確認し、必要に応じて手伝うことが、入院中の口腔ケアの質を保つ助けになります。むせやすい、飲み込みにくいといった様子がある場合は、自己判断で見守るのではなく、病棟の看護師や歯科衛生士に相談することをおすすめします。

監修者:歯科衛生士山崎明日海歯科衛生士 山崎

高齢の方は飲み込む力が弱いと誤嚥性肺炎のリスクも高まります。食後にむせる、痛が絡むといった様子があれば、自己判断で様子を見るのではなく、早めに病棟の看護師や歯科衛生士に伝えてください。

よくある質問

この研究のセルフオーラルケアは、どこの病院でも受けられますか?

今回報告されたのは広島大学病院での取り組みです。同様の支援が他の病院でも行われているかは、今回のリリースでは明らかにされていません。入院先の病院で口腔ケアの支援があるかは、入院時に確認するとよいでしょう。

院内肺炎はどうして口腔ケアと関係があるのですか?

口の中の細菌が唾液などとともに気道に入り込むことが、肺炎につながる一因とされています。口の中を清潔に保つことが、こうしたリスクを抑える一つの方法として知られています。

この記事の監修者
監修者:歯科衛生士山崎明日海
山崎 明日海

歯科衛生士 山崎 明日海
経歴
小樽歯科衛生士専門学校 卒業
札幌市内の一般歯科・ホワイトエッセンスで歯科衛生士として勤務
2023年より歯科衛生士常駐のセルフホワイトニングサロンを開業
保有資格
・歯科衛生士免許(厚生労働省登録)
・ホワイトニングコーディネーター資格(日本歯科審美学会登録)

フリーランスの歯科衛生士として、ホワイトニングサロンオーナーとして独立。

歯科衛生士としての臨床経験をもとに、本記事の内容を監修しています。

出典

出典:PR TIMES「広島大学と協力した『セルフオーラルケア』研究成果発表会」(JNTLコンシューマーヘルス株式会社/2026年9月9日)

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この記事を書いた人

オーラルメディア編集部のアバター オーラルメディア編集部 オーラルメディア編集部

オーラルメディア編集部は、歯科医師・歯科衛生士としての経験を持つメンバーや、実際にホワイトニングを体験したライターで構成されています。専門知識と実体験に基づき、全国のホワイトニングサロンの調査やセルフホワイトニング商品のレビューなど、信頼できる情報をわかりやすく発信しています。

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