厚生労働省は令和9年度予算の概算要求で、「生涯を通じた歯科健診(国民皆歯科健診)」の推進に79億4,100万円を新規に計上しました。柱となるのは唾液を使った歯周病リスクの簡易検査で、実現すれば毎年の受診機会が広がる可能性があります。ただしまだ予算の要求段階で、実施は今後の予算編成次第です。
厚労省が「国民皆歯科健診」推進に79億円を概算要求
厚生労働省は、令和9(2027)年度予算の概算要求で、「生涯を通じた歯科健診(国民皆歯科健診)の推進」に79億4,100万円を新規に計上しました。この予算枠自体が前年度はゼロだった項目です。
歯科医療メディア「Dentwave」が医政局の概算要求資料をもとに報じた内容によると、このうち唾液を使った簡易健診への支援事業に52億5,500万円が充てられる計画で、今回の予算の中で最大の柱になっています。詳しい発表内容はDentwave掲載の記事で確認できます。
唾液を使った歯周病リスク検査とは何がわかるのか
唾液検査とは、うがいをした後の唾液を採取し、歯周病の原因となる細菌の量や、炎症の程度を示す成分を調べる検査のことです。
歯周病は、歯垢の中の細菌が歯ぐきに炎症を起こす病気で、進行すると歯を支える骨が溶け、歯を失う原因の一つになります。従来は歯科医院で歯ぐきの状態を目視や器具で確認する検査が中心でしたが、唾液検査は採血や歯ぐきへの器具の挿入を伴わないため、短時間・低負担で受けられる点が特徴とされています。今回の予算が実現すれば、自治体の歯科健診の中で、この唾液検査を毎年受けられる仕組みが広がる可能性があります。
歯科衛生士 山崎唾液検査で「歯周病菌が多め」とわかった場合でも、慌てず歯科医院で歯ぐきの状態を確認してもらうことをおすすめします。セルフケアでは、歯と歯ぐきの境目に歯ブラシの毛先を45度の角度で当て、小さく動かして磨く方法が基本です。
まだ「予算の要求段階」である点に注意
今回の79億4,100万円は、あくまで令和9年度予算の「概算要求」段階の金額であり、実際に予算が付き制度が始まるかどうかは、今後の予算編成の議論次第です。
概算要求は、各省庁が翌年度に必要な予算を財務省に要求する段階の資料で、この後の予算編成の過程で金額が変わったり、事業内容が見直されたりすることがあります。「唾液検査が毎年無料で受けられるようになる」といった制度の詳細が確定しているわけではない点は、記事を読む際に留意が必要です。
歯科衛生士 山崎制度の詳細が決まるまでの間も、歯周病の進行は待ってくれません。歯みがきのときに出血が続く、口臭が気になるといった変化があれば、早めに歯科医院で相談することをおすすめします。
制度を待たずに今日からできる歯ぐきのセルフチェック
国の制度の実現を待たなくても、自分でできる歯周病のセルフチェックがあります。
歯みがきの際に歯ぐきから血が出る、歯ぐきが赤く腫れている、口臭が気になる、歯が以前より長く見える、といった変化は歯周病の初期症状として知られています。気になる症状がある場合は、唾液検査の制度化を待たず、歯科医院で歯周病の検査を受けることをおすすめします。毎日のブラッシングと歯間清掃用具の使用、そして定期的な歯科受診が、歯周病予防の基本になります。
歯科衛生士 山崎歯ぐきのセルフチェックは、毎日の歯みがき後に鏡で歯ぐきの色や形を見る習慣から始められます。健康な歯ぐきは薄いピンク色で引き締まっていますが、赤みや腫れがあれば歯科医院での相談を検討してください。
よくある質問

歯科衛生士 山崎 明日海
経歴
小樽歯科衛生士専門学校 卒業
札幌市内の一般歯科・ホワイトエッセンスで歯科衛生士として勤務
2023年より歯科衛生士常駐のセルフホワイトニングサロンを開業
保有資格
・歯科衛生士免許(厚生労働省登録)
・ホワイトニングコーディネーター資格(日本歯科審美学会登録)
フリーランスの歯科衛生士として、ホワイトニングサロンオーナーとして独立。
歯科衛生士としての臨床経験をもとに、本記事の内容を監修しています。
出典:
出典:Dentwave(デントウェーブ)「唾液で歯周病リスクを毎年チェックへ。厚労省、自治体の検査費用を補助し『国民皆歯科健診』を後押し」(2026年9月9日)

