仕上げみがきを嫌がるときは、「時間を短くする」「場所を変える」「順番を子どもに決めさせる」の3つを試してみてください。完璧に磨くことより、毎日続くことのほうが大切です。

歯科衛生士の山崎です。「仕上げみがきのたびに泣かれてつらい」という相談は、本当に多く受けます。私自身、診療で泣いている子を毎日見ています。まずお伝えしたいのは、嫌がるのはふつうのことで、親のやり方が悪いわけではない、ということです。
歯科衛生士 山崎仕上げみがきで泣かれると、親のほうがつらいですよね。診療室でも毎日泣いている子を見ています。嫌がるのはふつうのことで、あなたのやり方が悪いわけではありませんよ。
逃げ道1:30秒で終わらせる
嫌がる子には、まず時間を短くします。目安は上下合わせて30秒。「これだけで終わり」と最初に伝え、終わったら大げさに褒めます。
30秒で全部は磨けません。そこで、日によって磨く場所を決めます。今日は上の奥歯、明日は下の前歯、というように1週間で一周する考え方です。虫歯になりやすい奥歯のかむ面と、上の前歯の歯ぐきに近いところを優先します。
逃げ道2:場所と姿勢を変える
「ひざに寝かせる」姿勢が苦手な子は意外と多いです。天井しか見えず、口を大きく開けられて、何をされるか分からないからです。
- 鏡の前で、子どもを立たせたまま後ろから磨く(自分の口が見えると安心する子がいます)
- ソファに座り、子どもを横向きに抱えて磨く
- お風呂の中で磨く(水で流せるので歯みがき粉なしでも気にならない)
場所を変えると「歯みがき=つらい場所」という結びつきが切れます。1週間ほど続けて反応を見てください。
診療室でよくある例:「毎晩の格闘」が3週間で変わった
(複数のご相談をもとにした、架空の例です)2歳のお子さんで、「仕上げみがきのたびに大泣きで、押さえつけて磨いている」というご相談がありました。お母さんも毎晩ぐったりで、「もう歯みがきの時間が来るのが怖い」とおっしゃっていました。
まず「30秒で終わり」を宣言してから磨くこと、ひざに寝かせるのをやめて鏡の前で立たせて後ろから磨くこと、歯ブラシを2本用意して子どもに選ばせること、の3つを試してもらいました。1週間目は変わらず、2週間目に泣く時間が短くなり、3週間目には自分から鏡の前に来るようになったそうです。
すべてのお子さんにこの通りいくわけではありませんが、「短く・場所を変える・選ばせる」の3つは、私が診療で最初にお伝えする定番の組み合わせです。
歯科衛生士 山崎磨き残しがあっても、毎日30秒続いているほうが、週に1回の完璧な歯みがきよりずっと価値があります。今日磨けなかった場所は、明日磨けばいいんです。

逃げ道3:順番と道具を子どもに選ばせる
「どっちの歯ブラシにする?」「上から?下から?」と選ばせるだけで、嫌がり方が変わることがあります。自分で決めた、という感覚が大事です。
歯みがき粉は、子どもが好きな味のものを一緒に選びます。使う量は少なめで構いません。仕上げみがき用に、ヘッドが小さく毛がやわらかい歯ブラシを1本用意しておくと、口の奥まで入れやすくなります。
仕上げみがきはいつまで?
私は、少なくとも小学校に入るころまで、できれば奥の永久歯(6歳ごろに生える第一大臼歯)が生えそろうまでをおすすめしています。生えたばかりの永久歯は表面がやわらかく、子どもの手では磨き残しが出やすいからです。
急にやめるのではなく、「まず自分で磨いて、最後に大人が確認する」形に少しずつ移していくと無理がありません。
今日からの手順(まとめ)
- 「30秒だけね」と最初に伝える。終わったらしっかり褒める
- 今日磨く場所を決める(奥歯のかむ面と上の前歯を優先し、1週間で一周)
- ひざに寝かせるのが苦手なら、鏡の前で立たせる・横向きに抱える・お風呂で磨く
- 歯ブラシと歯みがき粉は子どもに選ばせる。順番も聞いてみる
- 泣いて口を開けない日はやめて、翌日「30秒だけ」から再開する
よくある質問
歯科衛生士 山崎仕上げみがきは「今日も終わった」の積み重ねです。うまくいかない日があっても、翌日また30秒から。困ったときは、かかりつけの歯科医院で子どもの口の状態に合わせた磨き方を一緒に確認しましょう。
この記事は、歯科衛生士としての経験にもとづく一般的な情報です。痛みや出血、口臭など気になる症状が続くときは、自己判断せず歯科医院で相談してください。
参考にしたページ
- 日本歯科医師会「テーマパーク8020」(お口の健康に関する一般向けの解説)
- 日本歯科衛生士会(歯科衛生士の仕事と口腔ケアの情報)

